Japanese
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特集 子供のリハビリテーション
Ⅲ.子供のリハビリテーション(脳性麻痺を除く)
骨形成不全症の診療における最近の動向
Recent Consepts in the Treatment of Osteogenesis Imperfecta.
亀下 喜久男
1
Kikuo Kameshita
1
1神奈川県立こども医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Sergery, Kanagawa Children's Medical Center.
キーワード:
骨形成不全症
,
骨形成不全症の遺伝
,
ベイリー・ロッド
Keyword:
骨形成不全症
,
骨形成不全症の遺伝
,
ベイリー・ロッド
pp.799-806
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106616
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はじめに
骨形成不全症は,ラテン語の“Osteogenesis Imperfecta”(以下OIと略す)の日本語訳で,“骨折を起こしやすい結合織の遺伝疾患”である.
本症では,骨の脆弱性(fragilitas ossium)の他に,青色強膜(blue sclera),象牙質形成不全(dentinogenesis imperfecta),聾(deafness),などの多彩な特徴的な臨床所見があることで知られているが,なかでも,骨の脆弱性のために骨折を繰り返し,変形や成長障害などの身体障害を起こしやすいことが最大の問題である(図1).
本症の治療の長い歴史のなかでは,整形外科的治療を主体とする多くの治療法が試みられ,それなりに多大の成果を上げてきた.特に,近年の遺伝学的研究による新しい分類の確立と整形外科的治療における延長する髄内釘の開発は注目に値する.
しかし,本症の病因は結合織のコラーゲンの生成障害であることが知られており,根本的な治療は遺伝子レベルの解明を待たなければならないので,残念なことながら,未だに決定的な治療法は確立されていない.
このような現状においては,本症患児の療育にあたっては,医学的な治療と同時に,継続的なリハビリテーションを積極的に行うことが重要である.
今回は,このような観点から,本症患者のリハビリテーション・プログラムをたてるために必要と思われる医療分野の最近の知見について述べる.
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