特集 救急手技のポイント
Ⅲ.胎児・新生児
分娩麻痺
谷口 和彦
1
1静岡県立こども病院,整形外科
pp.350
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900084
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分娩骨折同様,難産により腕神経叢が牽引され麻痺を生じたものをいう。腕神経叢は形態上,扇形を成しているため牽引力は近位に強く働く。分娩麻痺をErb—Duchenne型(上位型)とKlumpke型(下位型)に分けるのが通例であったが,上位型と全型に分けるのが実用的である。両型の区別は手背節背屈筋が効いているか否かで決める(近藤)。従来,Klumpke型と呼ばれていたものは全型の麻痺が上方から回復し,下位の麻痺が残存したものをみていたと思われる。
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