特集 小児リハビリテーション――小児科医が知っておきたいこと
1.分娩麻痺
川端 秀彦
1
1南大阪小児リハビリテーション病院整形外科
pp.309-314
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002984
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分娩麻痺は広義には分娩を契機に生じる末梢神経麻痺全般を指すが,一般的には分娩時の牽引損傷によって新生児に生じる腕神経叢麻痺を意味する.骨盤位分娩,巨大児に発生しやすく,大部分は片側罹患であるが,両側罹患のこともある.麻痺の重症度は腕神経叢にかかる牽引力の強さと損傷を受けた神経の分布に依存し,有連続性の部分損傷から脊髄より神経根が前角細胞ごと引き抜ける神経根引き抜き損傷まであり,その予後も完全に自然回復するものから重度の麻痺を残すものまで一定ではない.重度の麻痺では運動麻痺や知覚麻痺に留まらない重篤な機能障害を残すので,重症度に応じて個々に治療方針を立てることが重要である.
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