特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック
【Ⅱ章】
ME/CFSミミックス—「疲労・倦怠感」を主訴に受診する患者さんたち
【神経疾患】検査異常のない疲労感では「神経変性疾患」に留意せよ!
鋪野 紀好
1
1千葉大学医学部附属病院 総合診療科
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症
,
ALS
,
重症筋無力症
,
Parkinson病
,
スプリットハンド症候群
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症
,
ALS
,
重症筋無力症
,
Parkinson病
,
スプリットハンド症候群
pp.852-856
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202697
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Case
全身の倦怠感と疲労感を訴えて受診した一例
患者:81歳、男性
家族歴:特記事項なし
既往歴:便秘症
内服薬:酸化マグネシウム、センノシド
生活歴:喫煙なし、機会飲酒。妻と2人暮らしで、ADLはもともと自立している。
現病歴:2年前から右手の疲労感、1年前から左手の疲労感を自覚するようになり、その頃から段々と手の力の入りにくさも自覚するようになってきた。9カ月前から便秘と腹部膨満が出現し、近医で著明な腸管ガスを指摘された(図1)。最近、疲労感が強くなり、特に労作時に強く感じるようになった。原因精査目的で当科を紹介受診した。追加の問診をしたところ、嚥下困難があり、特に水分でむせ込みが強いという。体重は1年間で14kg減少しており、本人は「倦怠感のためだろう」と感じている。
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