Japanese
English
症例報告
神経症(ヒステリー)としてリハビリテーション科に入院した重症筋無力症の1例
A Case of Myasthenia Gravis Admitted to the Rehabilitation Department as Hysteria.
園田 茂
1,2
,
椿原 彰夫
1
,
出江 紳一
1
,
高橋 守正
2
,
辻内 和人
1
,
横井 正博
1
,
斎藤 正也
1
,
千野 直一
2
Shigeru Sonoda
1,2
,
Akio Tsubahara
1
,
Shinichi Izumi
1
,
Morimasa Takahashi
2
,
Kazuto Tsujiuchi
1
,
Masahiro Yokoi
1
,
Masaya Saito
1
,
Naoichi Chino
2
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション科
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
重症筋無力症
,
転換ヒステリー
,
疲労検査
Keyword:
重症筋無力症
,
転換ヒステリー
,
疲労検査
pp.637-639
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106847
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はじめに
近年,非典型的な筋力低下を呈する症例がリハビリテーション科に依頼され,治療に当たることが少なくない.そして,患者は簡単に「心因性」と診断される傾向があり,そのような代表的疾患として重症筋無力症があげられる.
重症筋無力症はその症状の動揺性から時に転換ヒステリーと誤診されやすい1,2).また,この疾患の特徴として,発症や増悪の契機に心理的要因が大きく関与しているため3),患者や医療者に与える誤診の影響は少なくない.
我々は「心因性」歩行障害と診断され,リハビリテーション医療が必要であるとして紹介された重症筋無力症患者を経験し,安易に「心因性」,「ヒステリー」と断定することの危険性を痛感した.そしてリハビリテーション医学の分野における診断学の重要性を再確認したので,若干の考察とあわせて報告する.
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