Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
幻肢痛には,脊髄,視床中継核(VC核)あるいは大脳皮質などを対象とした神軽刺激療法が,劇的に奏効することがある。これらは,主としてゲート・コントロール理論を根拠にしているが,それだけでは説明がつかない現象も多い。近年,一次体性感覚領野の受容野分布の再構成が幻肢痛に高い相関を示すことから,これを元に戻すことによって,幻肢痛を治療できるのではないかと考えられるようになった。視床VC核では,同様の受容野分布の再構成により,受容野と投射野の不一致が起きている。これによって興奮性入力と抑制性入力の均衡が崩れ,投射野に異常な感覚が起きることが幻肢痛の機転である可能性がある。神経刺激療法は,幻肢に相当する部分からの失われた入力を人工的に作り出し,受容野分布の構成を元に戻すことによって効果を生むのかも知れない。このような視点から,幻肢痛に対する神経刺激療法における現在までの知見を見直した。
It has been shown in patients with phantom limb pain that the primary somatosensory cortex undergoes reorganization of receptive field representation (invasion of the phantom limb area by the adjacent area). This reorganization is highly correlated with phantom limb pain and unrelated to the non-painful phantom sensation. These findings led to the hypothesis that restoration of original cortical organization might diminish phantom limb pain.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.