巻頭言
脊髄損傷の移り変り
大谷 清
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.163
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106470
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脊髄損傷は重篤な外傷で,長期生存が困難であるとの認識は記憶に新しい.不治の外傷であることには昔も今も変りないが,その生命的予後は正常者と変りないまでに好転してきている.約80例の脊髄損傷患者を扱う当院でも,ここ数年間は急性期を含めても死亡例はない.USAのNational Spinal Cord Injury Statistical Centre(NSCISC)の最近10年間の累積統計によると脊髄損傷患者の生存率は86.1%で,正常者の98.5%と比べて大差なく,脊髄損傷患者死亡率は最近の10年間は0.44%で,以前の4.42%と比べてかなり減少している(Paraplegia:24:51,1986).
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