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実践講座 疼痛治療とリハビリテーション・4
幻肢痛の治療―認知神経リハビリテーションの立場から
Neurocognitive rehabilitation for phantom limb pain.
塚本 芳久
1
Yoshihisa Tsukamoto
1
1摂南総合病院認知神経リハビリテーションセンター
1Neurocognitive Rehabilitation Center, Setsunan General Hospital
キーワード:
切断
,
幻肢痛
Keyword:
切断
,
幻肢痛
pp.1463-1467
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101137
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幻肢痛治療概観
痛みは従来,急性痛と慢性痛とに分けられてきた.急性痛は侵害刺激が末梢のリセプターに感受され,そのインパルスが中枢神経に伝えられ,痛みを感じると理解されている.急性痛では原因が除去されると痛みも軽快する.一方,痛みの原因が除去されても痛みが軽快せずに長期間持続する場合があり,慢性痛と呼ばれてきた.
近年,非侵襲的な脳画像技術の進歩に伴って,慢性痛を訴える症例では大脳皮質の機能異常や構造変化が起こっていることが明らかになってきている.したがって慢性痛の病態は,脳の機能異常や構造変化自体によって痛みの経験が生じるものと理解しなければならない.最近ではこういった神経生理学的研究による病態の解析によって,慢性疼痛の多くは神経因性疼痛として分類されるようになってきた.
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