一頁講座 イラスト・神経学的テスト(9)
錐体外路系の診かた
前島 伸一郎
1
,
土肥 信之
1
1藤田学園保健衛生大学リハビリテーション医学教室
pp.739-740
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106348
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はじめに
錐体外路系は錐体路以外の運動に関与する下行性の経路である.これは高度に発達した旧運動系部分で,大脳皮質,小脳,脳幹の神経核,網様体などと線維連絡を有し,錐体路を介さず,多シナプス性に延髄,脊髄の運動神経細胞と連絡している.解剖学的には尾状核,被殼,淡蒼球,視床下核,黒質,赤核をまとめて錐体外路系と呼ぶのが一般的である,錐体路が素早い随意運動に関与するのに対し,錐体外路は姿勢保持や筋トーヌス,その他の運動を円滑に行うための数多くのメカニズムに関与している.臨床上,錐体外路系の重要性が明らかになるのは病的な状態のときである.
本稿では主に基底核障害で生じうる代表的な錐体外路症候*について述べ(表1),その診かたについて解説を加える.
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