書評
筋ジストロフィー症研究連絡協議会 編―筋ジストロフィーはここまでわかった厚生省研究班20年の歩み
荒木 淑郎
1
1熊本大学医学部第Ⅰ内科
pp.534
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106307
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わが国初の大型の学際的なプロジェクト
昭和43年(1968年)に発足した厚生省特別研究費補助金によるミオパチー研究班(班長:冲中重雄先生)はわが国での初めての大型な学際的なプロジェクトであり,その班研究方式は昭和48年に発足した特定疾患(難病)調査研究班の先駆的なモデルとなったことは周知のとおりである.
また現在の筋ジストロフィー対策は昭和38年3月に「親の会」(現在の日本筋ジストロフィー協会)が,ときの厚生大臣および医務局長に陳情し,直ちに「進行性筋萎縮症対策要綱」が策定されたことにより始まったものである.これを受けて国は筋ジストロフィー患者の入院中の療育費用を負担し,地区の国立療養所は大学機関と連携して患者を収容し,学齢期の患者に教育の機会を与え,積極的にリハビリテーションを行い,世界でも類をみない包括的な医療が展開されたのである.
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