書評
『筋ジストロフィーはここまでわかった;厚生省研究班20年の歩み』―筋ジストロフィー症研究連絡協議会編
荒木 淑郎
1
1熊本大学第1内科
pp.346
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103273
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我が国初の大型な学際的プロジェクト
1968年に発足した厚生省特別研究費補助金によるミオパチー研究班(班長:沖中重雄先生)は,我が国での初めての大型な学際的なプロジェクトであり,その班研究方式は,1973年に発足した特定疾患(難病)調査研究班の先駆的なモデルとなったことは周知のとおりである.
また現在の筋ジストロフィー対策は,1963年3月に「親の会」(現在の日本筋ジストロフィー協会)が,時の厚生大臣および医務局長に陳情し,直ちに「進行性筋萎縮症対策要綱」が策定されたことにより始まったものである.これを受けて国は,筋ジストロフィー患者の入院中の療育費用を負担し,地区の国立療養所は大学機関と連携して患者を収容し,学齢期の患者に教育の機会を与え,積極的にリハビリテーションを行ない,世界でも類をみない包括的な医療が展開されたのである.
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