Japanese
English
特集 リハビリテーション医療と倫理
医師と関係医療職の倫理に関する教育の現状と問題点―特にPT,OTについて
Education on Medical Ethics for Medical Doctor and Allied Health Personnel: PT and OT.
五味 重春
1
Shigeharu Gomi
1
1東京都立医療技術短期大学
1Tokyo Metropolitan College of Allied Medical Sciences
キーワード:
医療倫理教育
,
職業倫理教育
,
医師の指示と提案
Keyword:
医療倫理教育
,
職業倫理教育
,
医師の指示と提案
pp.171-174
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106228
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
医療に関わる倫理的問題は,古くて新しいテーマであり,先人が医学の進歩を追究しようと願い,人間の生体実験を行った時代にも大きな問題として厳しく取り上げられた.
最近は人の生命に関わる人工体外受精,遺伝子の扱い,さらに多くの臓器移植,ターミナルケア,安楽死などで,医の倫理が問われている.これらは患者さんの悩みや苦しみを解決しようとする医師の医学的対応ともいえるが,医師と患者さんという1対1の関係のみならず,その家族ならびに取り巻く社会とも大きな関わりをもっている.このような行為の中にも,人間としての存在を尊重し,病める人を救わんとする情意があるはずである.
とりわけ,リハビリテーション医療の分野においては,その目標が障害をもつ人あるいは障害をもつ惧れのある人に対し,人間としての生きる権利の回復をねらいとするので,対象者の人権を侵害するようなことはあり得ないと思う.
しかも医師と患者さんのみが主体である狭義の診療行為とは異なり,リハビリテーション医療の領域では,医師をはじめとする多くの医療関係職がチームとなって,患者さんならびに家族等と接するので,チーム・メンバーの間の倫理ならびにチームと対象者との倫理の確立が求められる.したがって,表題のテーマが取り上げられたものと考える.そこで,①医師の医療倫理教育,②リハビリテーション医療従事者の中の理学療法士(PT),作業療法士(OT)の医療倫理教育の現状,③医師の指示と提案についても触れたい.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.