Japanese
English
特集 老年期痴呆とリハビリテーション
コミュニケーション能力の障害と痴呆
Disorder of Functional Communication in Dementia Patients.
綿森 淑子
1
Toshiko S Watamori
1
1東京都老人総合研究所プロジェクト研究部
1Division of Project Research, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
キーワード:
痴呆
,
コミュニケーション能力の障害
Keyword:
痴呆
,
コミュニケーション能力の障害
pp.107-112
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106212
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痴呆におけるコミュニケーション能力の障害―コミュニケーションと言語
コミュニケーションの障害は痴呆注1)の中枢症状の一つであり,家族や介護者との意志疎通を困難にし,誤解や問題行動を招く原因ともなる.また,リハビリテーションの対象となる患者の高齢化が進む中で,予後も働きかけ方も異なる痴呆と失語症との鑑別は臨床的にも重要な課題となってきている.
コミュニケーションとは自分の考えている事柄や持っている情報を意図的に他人と分かち合う過程である.言語がコミュニケーションの中心的な役割を果たすことは言うまでもないが,情報伝達行為としてのコミュニケーションが成立するためには,その場の状況,対話の相手や話題などについての知識・記憶・思考・感情など多様な文脈を考慮に入れて言語が適切に使われる必要がある.
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