巻頭言
ルール
佐々木 健
1
1千葉リハビリテーションセンター
pp.83
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106207
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カンファレンス,講義,講演,臨床の場で気がついてみると,いつも決まり文句のように言い,かつ実行していていることがある.ルールとでもいえようか.観念的で,言葉が足りず,低次元と批判を受けるかもしれないが,誌面の許す限り,思いつくままにあげてみたい.
個室は持たない(病棟は社会生活の第一歩,失語症の人を個室に入れてどうするのだ?).付き添いはつけない(適切なADL指導の妨げとなる.ただし,共に暮らす人のみ介護指導として許可する).訓練室内訓練より病棟生活を重視する.さらに早期よりの,単なる外泊でない,居宅訓練が最重要視される(常に念頭におくのは,その人が今住んでいる,あるいは住もうとしている場所と人であって,そここそが我々の戦場である).ベッドは夜眠るため,昼起き上がるための道具として使う(ギャッジベッドは使わず,昼は車椅子の使用で病室外にいるのが原則).CVA患者のリハビリテーションの最初はROM訓練,良肢位の保持,体交ではない(車椅子坐位,起立訓練,排泄訓練で始まり,褥創予防は体交ではなく除圧である).食事は食堂,食卓で,排泄はトイレで,入浴は風呂場で行う(当然のことである).
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