Japanese
English
特集 老年期痴呆とリハビリテーション
身体障害と老年期痴呆
Physical Disabilies and Dementia in the Elderly.
江藤 文夫
1
Fumio Eto
1
1東京大学リハビリテーション部
1Central Rehabilitation Service, University of Tokyo Faculty of Medicine
キーワード:
老年期痴呆
,
アルツハイマー病
,
パーキンソン病
,
脳血管障害
Keyword:
老年期痴呆
,
アルツハイマー病
,
パーキンソン病
,
脳血管障害
pp.101-105
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106211
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はじめに
痴呆の疫学と病理で述べられるごとく,老年者では数多くの疾患で痴呆を生じうる.それらの中には身体障害とかかわりを有するものも稀ではない.さらに,DSM-III-Rで定義されるように,「進行性」ないしは「非可逆性」といった条件が含まれない場合には,廃用性障害として生じうる精神機能低下も痴呆から除外することは困難である.それらでも,通常の頭部CTスキャンにより脳萎縮が検出されれば器質的障害の根拠となしうる.もっとも,初老期アルツハイマー(Alzheimer)病の初期には脳萎縮を検出しえないこともある.また,現状ではFAST1)のstage I~IIで痴呆の診断をつけるのは勇気のいる仕事であろう.これらを念頭においた上で,一般的な意味での老年期の痴呆と身体障害との関連性およびリハビリテーションについて考えてみたい.
なお,著者が老年痴呆(senile dementia)と呼んできたものは一次性変性痴呆であり,アルツハイマー型痴呆に対応するものである2).
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