Japanese
English
特集 片麻痺のリハビリテーションと合併症
痴呆
Dementia of Hemiplegic Patients.
三島 博信
1
Hironobu Mishima
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
1Nakaizu Rehabilitation Center.
キーワード:
片麻痺
,
痴呆
Keyword:
片麻痺
,
痴呆
pp.27-33
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106441
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はじめに
急速な高齢化社会を迎え,近年,わが国の脳卒中は老齢化,軽症化,長寿化しつつ,かなりの速度で減少しているように思われる.
すなわち,出血が減って梗塞が増えたという質的な変化だけではなく,その発生率と死亡率の減少,救命率の向上,平均余命の延長が著しい.また,初回発作の平均年齢も60歳を越えている.遠からず,脳卒中片麻痺は老人のリハ医療の主役ではなくなるであろう.
そして,脳卒中後遺症で最も重要な障害であり,再起への阻害となるものは,“片麻痺という運動麻痺”ではなく,“痴呆化”という精神的機能障害なのである(三島1)).
リハ医療の核心も当然ここにおかれるべきものと考えている.
本稿では,最近の痴呆に関する考え方,評価,治療などについて文献を紹介するとともに,行動科学と障害者の生活再建というリハ医学の立場からもこの問題を考えてみたい.
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