連載 スーパー臨床神経病理カンファレンス・6
認知機能障害に加えて歩行障害を呈するパーキンソニズムを認めた89歳男性
木村 朴
1,3,4
,
河上 緒
1,2
,
池田 研二
1,3
,
永倉 暁人
1,2,4
,
加藤 忠史
4
,
大島 健一
1
1地方独立行政法人 東京都立病院機構 東京都立松沢病院 精神科
2公益財団法人 東京都医学総合研究所 分子病理・ヒストロジー解析室
3公益財団法人 東京都医学総合研究所 認知症プロジェクト
4順天堂大学 大学院医学研究科 精神・行動科学講座
キーワード:
脳血管性パーキンソニズム
,
脳血管障害
,
パーキンソニズム
,
加齢性白質病変
,
ラクナ梗塞
,
アルツハイマー病
Keyword:
脳血管性パーキンソニズム
,
脳血管障害
,
パーキンソニズム
,
加齢性白質病変
,
ラクナ梗塞
,
アルツハイマー病
pp.869-874
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202695
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〔現病歴〕86歳頃,認知症の妻と老老介護で二人暮らしの生活をしていた時点より,生活機能低下が疑われていた。88歳時,妻,本人の脱水状態による入院を契機に妻は高齢者施設入所となり,本人は独居となった。その後,介護拒否や暴言が強まり88歳時に認知症専門の診療所を受診し,認知症の診断のもと,BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)に対してブレクスピプラゾール1mgが開始された。
89歳時には脱水状態と転倒を繰り返しており前医へ入院となった。これまでの処方に替わり,リスペリドン4mgが開始された。前医脳神経内科にて神経学的所見「中等度の動作緩慢,両側上肢の筋強剛,体幹失調」と評価された。Mini-Mental State Examination 16/30点であったが遅延再生は保たれていた。
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