Japanese
English
研究と報告
全身持久力からみた二分脊椎症児の水泳能力
Assessment of Aerobic Work Capacity by Swimming in Children with Spina Bifida.
三田 勝己
1
,
赤滝 久美
1
,
伊藤 晋彦
1
,
小野 芳裕
1
,
石田 義人
1
,
武上 泰光
1
,
沖 高司
1
,
石田 直章
2
,
高橋 由美
3
Katsumi Mita
1
,
Kumi Akataki
1
,
Kunihiko Itoh
1
,
Yoshihiro Ono
1
,
Yoshihito Ishida
1
,
Hiromitsu Takegami
1
,
Takashi Oki
1
,
Naotaka Ishida
2
,
Yumi Takahashi
3
1愛知県心身障害者コロニー
2名古屋自由学院短期大学
3日本女子体育大学
1Aichi Prefectural Colony
2Nagoya Jiyuu Gakuin Junior College
3Japan Women's College of Physical Education
キーワード:
二分脊椎症
,
水泳
,
全身持久力
Keyword:
二分脊椎症
,
水泳
,
全身持久力
pp.685-689
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107423
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はじめに
二分脊椎症児の運動能力,とりわけ移動能力は10~20歳の間で低下しはじめることが報告されている4,7,9).その主な原因としては体重の増加に伴って身体活動時の負担が大きくなり,易疲労を引き起こすためと考えられる1,14).さらにこれが寡動な状態を誘発し,過剰な脂肪の蓄積や運動能力の低下を加速化する.肥満による体重の増加や体力の低下を防ぐためには,全身的な運動プログラムと栄養管理を早期から開始することが重要である.
しかしながら.二分脊椎症児が全身的な運動をしようとしても,下肢の弛緩性麻痺のために全ての運動様式が可能というわけにはいかない.その運動様式には残存する能力を十分に活用でき,安全で効果の高いものを選択することが肝要である,そこで,われわれは二分脊椎症児にとって至適な運動様式として水泳に注目した.すなわち,水中では体重がほとんど除去され,骨や関節に直接体重がかからないので身体活動がきわめて容易となる.また,水泳は陸上の運動に比べてエネルギー消費効率が悪く,ゆっくり泳いでも全身持久力の向上が期待され,肥満対策に有効であることが報告されている5,13).
本研究では,二分脊椎症児が水泳を通して発揮する運動強度やスキル(技術)を評価し,全身持久力や肥満改善の可能性を追究する.
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