巻頭言
Informed Consent
宮野 佐年
1
1東京慈恵会医科大学第三病院リハビリテーション医学
pp.829
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106154
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アメリカでは,急患が救急室に来ますと,医師はすべての穴をのぞいて検査しなければならないことになっています.もし患者がいやだと言えば,その部分の診察はしなくとも良いのですが,必ずカルテに患者が診察を拒否したということを明記しておきます.
また,入院している患者が医師の指示に従わない場合は,AMA(Against Medical Advice)という書類にサインをさせます.これは,医療行為をしようとしたのに,医師の説得によっても拒否をしたということであり,医療過誤や誤診があっても,責任はいっさい患者にあるというものです.これらは患者の立場,言い分を認め,弱い立場の患者に拒否権を与えるために作られたと思われますが,実際には医師の護身のために使われることが多いように思われます.
そして,検査とか手術を行う場合に,その危険性などについて説明をし,患者の承諾書(Informed Consent)を必ずとります.
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