視座
筋骨格系肉腫のInformed Consent
柴田 大法
1
1愛媛大学医学部整形外科
pp.1123-1124
発行日 1995年10月25日
Published Date 1995/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908275
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骨肉腫に代表される筋骨格系肉腫患者および周囲の人々へのinformed consent(以下IC)のあり方についての議論が盛んである.この領域に携わるようになった当初は,骨肉腫を「たちの良くない骨髄炎」と告げて,現在のneoadjuvant chemotherapyの走りとなった動注化学療法を行った後,手術に当たっては「術中所見によっては切断になることもあるよ」との説明のもとに切断術を施行するのが大方であった.
しかし当時でも,子宮癌は病名が正確に告げられ,手術がなされていた.この違いは,子宮癌では病期に見合った手術法が確立しており,高い治癒率が既に約束されていたこと,広範切除術でも失う機能が少なく結果が受容されやすいことにあったと思われる.
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