連載 感染症 Up to Date・33
[エイズの現場でしばしば使われる言葉]インフォームド・コンセント Informed Consent(その2)
林 素子
pp.516-517
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901798
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はじめに
平成7年度版厚生白書によると,今後の「医療」を考えるうえでのキーワードは,「質」「選択」「納得」「情報」「連帯」「発展」としている1)これらのキーワードには,インフォームド・コンセントの概念がうかがえる。医療の質を考えるうえで,インフォームド・コンセントは切っても切りはなすことのできないものである。
患者自身が納得し選んだ治療方針は,患者にとって「質(QOL)」が高く,満足のいくサービス(多くの場合は治療)である。そのためには,まず患者がサービスを受けるために必要な「情報」が医療者から提供されなければならない。患者は,その情報を受け,自分自身にとって最も「納得」のいく「選択」を自由意思に基づいて行う。その後は,患者の「生活の質・生命の質(Quality of Life,QOL)」の「発展」を目指し,患者自身が積極的に参加し,治療者や家族,地域社会などのサービス提供者との「連帯」を図りつつ,サービスが最もよい方向へむくように努力するのである。
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