Japanese
English
症例報告
重度身体障害者の介護中に生じた大腿骨骨折の原因と予防について
Femoral Fractures in the Severely Handicapped Patients while being Cared.
長谷 好記
1
,
津下 健哉
1
,
片山 昭太郎
1
,
黒瀬 靖郎
1
,
福原 宏平
1
,
長尾 彰
1
,
山本 健之
1
Yoshiki Hase
1
,
Kenya Tuge
1
,
Syoutaro Katayama
1
,
Yasuo Kurose
1
,
Kouhei Fukuhara
1
,
Akira Nagao
1
,
Kenji Yamamoto
1
1広島県立身体障害者リハビリテーションセンター整形外科
1Hirosima Prefectural Rehabilitation Center.
キーワード:
重度身体障害者
,
大腿骨骨折
Keyword:
重度身体障害者
,
大腿骨骨折
pp.207-210
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106024
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はじめに
最近では,重度身体障害者(以下,重障者)をベッドに寝かせたままにしておくことは,少なくなってきている.在宅者では通園,通学などで外出することも多く,また,施設内生活者では食事,入浴,訓練などで施設内外を移動する機会が増加してきている.これに伴ない,いろいろな人から介護を受ける機会が増える傾向にある.
これらの重障者の日常生活の介護をしている時に,外傷もなく,また大きな外力を加えたわけでもないのに骨折が生じ,驚かされることがある.重障者の骨折の発生率に関しては諸家の報告があり,0.29~1.21%1~3)と言われている.最近,このような骨折が増加の傾向にあるように思われ,治療や介護,あるいは訓練に携わる者にとって大きな問題となってきている.しかし,これらの骨折の原因,受傷機序などに関する報告は少なく,多くはなぜ骨折したか分からないままとなっている.
今回,我々は介護中に大腿骨の骨幹部から顆上部にかけて骨折を生じた重障者の症例について,関係者より受傷時の状況を詳しく取材し,なぜこのような骨折が生じたのか,また予防するためにはどのようしたらよいか検討を加え,若干の知見を得たので報告する.
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