発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178566
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33歳女。妊娠34週に右股関節痛が出現し、X線で特に異常は指摘されなかったが、38週時に歩行中バランスを崩して右足を踏ん張った際に、右股部痛の増強と轢音を自覚し歩行不能となった。X線で右大腿骨頭下骨折による骨頭の内反転位を認め、MRI造影ではT1強調像で骨頭から頸部にびまん性の低信号域、T2強調像で同部位に高信号域を認めた。帝王切開術を施行し、同時に徒手的整復を試みたが、骨片が不安定で整復位保持は困難であった。帝王切開後10日に観血的整復固定術を施行し、骨頭は軟骨下骨で剥離し内反転位しており、大腿骨頭・頸部では著しい骨脆弱性を認めた。骨片が薄いため関節面からの固定が必要と考え、骨頭を前方亜脱臼させて骨片を50mmアキュトラックスクリュー2本で固定した。術後患肢完全免荷としたが、徐々に骨片の内反転位を認め、骨癒合は得られないと判断し、術後7週に人工股関節全置換術を施行した。置換術後4ヵ月のJOAスコアは97点であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008