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特集 リハビリテーション医学における基礎医学
末梢神経・骨格筋に対する電気刺激―臨床的治療法と基礎実験のギャップを顧みて
Effect of Neuromuscular Stimulation: The Difference between Clinical Use and Experimental Studies.
椿原 彰夫
1
,
千野 直一
1
Akio Tsubahara
1
,
Naoichi Chino
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
電気刺激
,
末梢神経障害
,
廃用性筋委縮
Keyword:
電気刺激
,
末梢神経障害
,
廃用性筋委縮
pp.13-17
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105986
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はじめに
リハビリテーション医学の分野において,電気刺激を臨床治療に用いることは,しばしば経験している.その歴史は,18世紀半ばにドイツにおいて麻痺筋の診断と治療に試みられたことに始まる1).
近年,この分野での電気刺激による治療は,様々な目的で行われている.主な治療法としては,①末梢神経障害や筋疾患,廃用性筋力低下に対する低周波治療,②疼痛に対する経皮的神経電気刺激(Transcutaneous electrical nerve stimulation:TENS)と電気鍼治療,③機能的電気刺激法(Functional electrical stimulation:FES),④痙縮の軽減,⑤小脳性失調症のコントロール,⑥骨折の癒合促進などがあげられる.その臨床的有効性については,必ずしも確立しているとはいえないが,基礎的実験も数多くなされ,今後の解明の期待できるところである.そこで,本稿では特に末梢神経と骨格筋に対する電気治療,すなわち脱神経筋や筋力低下に対する,いわゆる低周波治療を取り上げて,その基礎的研究の成果と臨床的有効性などについて述べる.
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