Japanese
English
特集 リハビリテーション医学における基礎医学
骨折治療における電気刺激―その最近の進歩と話題
Application of Electric Phenomena to Fracture Treatment: Recent Trend and Future.
平澤 泰介
1
,
岡田 皖
2
Yasusuke Hirasawa
1
,
Kiyoshi Okada
2
1京都府立医科大学整形外科
2京都第二赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto Prefectural University of Medicine.
2Department of Orthopedics, Kyoto Second Red Cross Hospital.
キーワード:
骨圧電気
,
生体電気刺激
,
電気的仮骨
Keyword:
骨圧電気
,
生体電気刺激
,
電気的仮骨
pp.5-11
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105985
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骨折の治療に関する歴史は古く,ヒポクラテスによる木片固定の時代より,現在に至るまで,種々の内固定法や外固定法が考案されてきた.Kuntscherによる髄内固定法,AO法による圧迫固定法,種々の創外固定法などがその代表的なものといえる.
一方,1953年,保田ら24)による骨の圧電現象の発見により,骨の電気現象についても近年注目をあびるようになった.すなわち,力学的刺激が骨の修復や形成に影響を及ぼす一因子であり,その作用機序が,骨の電気的現象の発見によって説明できるようになってきたからである.それとともに,電気的刺激によって仮骨が生じる可能性も論じられるようになり,骨折治療に対する電気的刺激の応用に関する研究も行われるようになった.しかし,骨の圧電気現象を直接電気的仮骨への応用と結びつけることは困難であり,一部ではその効果が疑問視されていることは事実である.以下,骨の電気現象に関する研究の歴史について述べ,電気仮骨に関する最近の話題を中心にまとめてみたい.
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