Japanese
English
研究と報告
重症心身障害児の食事訓練―第1報:口腔機能が保たれている児に対する訓練
Feeding Trainings with Multiply Handicapped Children. Part 1: Cases without Oral Dysfunction.
平山 義人
1
,
鈴木 文晴
1
,
志倉 圭子
1
,
堀越 春男
1
,
峰岸 厚江
1
,
有馬 正高
1
Yoshito Hirayama
1
,
Hisaharu Suzuki
1
,
Keiko Shikura
1
,
Haruo Horikoshi
1
,
Atsue Minegishi
1
,
Masataka Arima
1
1国立精神・神経センター武蔵病院
1National Center Hospital for Mental, Nervous and Muscular Disorders in NCNP.
キーワード:
重症心身障害児
,
食事訓練
Keyword:
重症心身障害児
,
食事訓練
pp.847-851
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105696
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
重症心身障害児(以下重障児と略す)にかかわる者にとって,児の食事介助のために費やされる時間は多大なものである.これは食事摂取なくして生命維持は有りえず,最低でも1日3回はかかわりを持たざるをえないことから生ずる,必然的な結果でもある.また重障児の食事摂取能力が向上することは,児の食事摂取に要する時間の短縮につながり,介助者の手間が省けることにもなる.
他の観点からみると,定頸,定坐,体幹の安定,手の運動,手と目の協調運動など総体的な発達なくして食事摂取能力の向上は有りえないことから,食事訓練は重障児病棟での中心的な療育活動に据えて行うべきものと考えられる.
重障児の食事訓練はこうあるべきであるとの指針がない現在,当所で実施してきた食事訓練の方法が最適なものであったか否かは判断しかねるが,当病院が開設されて丸10年が経過したのを期に,これまでの取り組みをまとめてみた.
訓練内容は,介助にて飲食物が口腔内に入れてあげさえすればどうにか嚥下することができる児に対するものと,介助しても上手に口腔内に取り込むことができなかったり,嚥下がうまくできない児に対するものとはかなり異なるため,両者を分けて検討した.
本報告では前者に対する食事訓練につき報告する.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.