Japanese
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特集 失調症
失調症の病態生理―脊髄後索障害を中心に
Pathophysiology of Ataxias due to Disturbances of Deep Sensibility.
入江 秀樹
1
,
高橋 和郎
1
Hideki Irie
1
,
Kazuro Takahashi
1
1鳥取大学医学部神経内科
1Division of Neurology, Institute of Neurological Sciences, Tottori University School of Medicine.
キーワード:
失調症
,
深部知覚
,
後索
Keyword:
失調症
,
深部知覚
,
後索
pp.657-663
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105657
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はじめに
運動失調をおこす要因としては運動制御の中枢と考えられる小脳の障害の他に筋,腱,関節からの深部知覚を伝える一般・固有感覚系と前庭からの特殊・固有感覚系の障害が重要である.Garcin1)は失調を1)脊髄癆性,2)脊髄癆以外の深部知覚障害による失調すなわち,頭頂葉性,視床性,延髄性,脊髄性,神経根性,末梢神経性,3)小脳性,4)前庭神経性,に分類している.これらはそれぞれ障害部位が異なるのみならず症候学的あるいは病態生理学的にも異なる要因をもっていると思われる.
本稿では小脳性失調と対比しながら,深部知覚障害,特に脊髄後索障害あるいは脊髄癆による失調についての我々の検索の結果2)を中心に述べることとする.
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