Japanese
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研究と報告
乳房再建術の乳癌患者に与える影響―QOLを中心に
Effect of Breast Reconstruction on Breast Cancer Patients: Especially on Quality of Life.
染矢 富士子
1
,
野口 昌邦
2
,
辛島 修二
3
,
立野 勝彦
4
Fujiko Someya
1
,
Masakuni Noguchi
2
,
Shuji Karashima
3
,
Katsuhiko Tachino
4
1金沢大学整形外科
2金沢大学第2外科
3加賀八幡温泉病院
4金沢大学医療技術短期大学部
1Department of Orthopedic Surgery, Kanazawa University.
2Department of the Second Surgery, Kanazawa University.
3Kagahayata Onsen Hospital.
4School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
キーワード:
乳癌
,
QOL
Keyword:
乳癌
,
QOL
pp.521-525
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105630
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はじめに
日本における乳癌の代表的な治療法として乳房切断術が広く行われており,その後療法としての患側上肢に対するリハビリテーションのプログラムも今日確立されてきた1~3).ところが,形成外科学の発達に伴い乳房再建術4)の概念が欧米より導入され,二次的再建術ばかりではなく乳房切断術と同時に一次的乳房再建術が施行されるようになってきた.
日本人女性の乳房に対する感覚と欧米人のそれとは異なり,再建術の症例数はまだまだ少ないが乳癌の術後成績の向上に従って将来的に希望者が増大してゆくことは充分考えられることである.この点に関してリハビリテーション担当者としても患者のQOLを考慮しつつ治療にあたることが大切である.
幸い金沢大学では,乳癌の生命予後,後療法等術後成績がかなり安定しており3,5),乳房再建例に対してもある程度の追跡調査が可能であったのでそのQOLを中心に報告する.
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