Japanese
English
総説
化学療法による味覚変化が栄養とQOLに与える影響:—システマティックレビュー—
Influence of Chemotherapy-Induced Taste Alteration on Nutritional Status and Quality of Life:Systematic Review
海津 未希子
1
,
小松 浩子
2
Mikiko Kaizu
1
,
Hiroko Komatsu
2
1慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科後期博士課程
2應義塾大学看護医療学部
1Graduate school of Health management Doctoral Program, Keio University
キーワード:
味覚変化
,
化学療法
,
栄養
,
QOL
,
taste alteration
,
chemotherapy
,
nutrition
Keyword:
味覚変化
,
化学療法
,
栄養
,
QOL
,
taste alteration
,
chemotherapy
,
nutrition
pp.1-11
発行日 2018年12月31日
Published Date 2018/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.緒 言
味覚変化は化学療法を受ける患者の45%〜84%に生じ1),脱毛や倦怠感に並ぶ悩ましい副作用である2)3).味覚変化は食行動に影響するため4),食欲,経口摂取,体重やQOLの低下をもたらす5)6).また,化学療法中に栄養不良を認めた患者の食事摂取に最も影響を与えた症状が味覚変化だったという報告もあることから7),味覚変化に対する積極的な介入は重要である.
先行研究では,化学療法中の味覚変化には味覚鈍麻やメタリックテイストが多いことが指摘されている1).また,フルオロウラシル,メソトレキセート,シクロフォスファミド,プラチナ製剤などで発現が高いことも明らかになってきているが1)8),どのような味覚変化やレジメンが経口摂取,体重,QOLに影響を及ぼすかは明らかにされていない.化学療法中は,栄養状態を維持し全身状態を良好に保つことが治療継続の要因となるため,味覚変化が栄養面やQOLに及ぼす影響を系統的に要約し,看護実践への示唆を得ることは重要である.そこでわれわれは,システマティックレビューにより化学療法による味覚変化を調査した研究のデザインおよびアセスメント方法を評価し,レジメンによる味覚変化の特徴と,味覚変化が栄養やQOLに与える影響を検討した.
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