一頁講座 運動学・5
脊柱・体幹
大井 淑雄
1
1自治医科大学整形外科・リハビリテーションセンター
pp.393-394
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105601
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体幹の運動学について議論する場合にも他の部位と同様骨関節と筋肉が主眼となるが,一つ特徴的なことは筋肉の働く力の方向が立位ではおよそ地面に垂直方向になっているということである.また脊柱が多くの分節の(脊椎骨と椎間板)集合体でありその節間の小さな運動の積み重ねが合計されて全体としての動きを表現していることである.各脊椎を動かす筋肉は必ずしも多関節筋でなくともよいわけで単関節筋から成る小さなものも多く,それを外側から包むようにして多関節筋(たとえば腰仙筋や腸腰筋など)が力強く走行している.そして靱帯筋膜の働きを無視することが出来ないのである.脊柱は支持組織としての体幹のまさにバックボーンでありその解剖学的特性をしらべてみると非常に興味のあるところである.
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