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成人脊柱変形患者のアライメントに体幹筋が及ぼす影響
Potential role of paraspinal musculature in the maintenance of spinopelvic alignment in patients with adult spinal deformities
勝 麻里那
1
,
大場 哲郎
1
,
波呂 浩孝
1
M. Katsu
1
,
T. Ohba
1
,
H. Haro
1
1山梨大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., University of Yamanashi, Chuo
キーワード:
spinopelvic parameter
,
paraspinal muscle
,
cross-sectional area
Keyword:
spinopelvic parameter
,
paraspinal muscle
,
cross-sectional area
pp.910-913
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_910
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【要 旨】
目 的:近年,加齢やサルコペニアなどの筋力低下と脊椎疾患との関連が着目されており,成人脊柱変形(ASD)の病態においても体幹筋の関与が指摘されている.本研究の目的は,MRIを用いて体幹筋を定量化し,ASD患者の脊柱骨盤アライメントや術後成績への影響について後ろ向きに調査することである.
対象および方法:2012~2017年に当院で手術的治療を施行したASD 110例と腰部脊柱管狭窄症50例を対象とし,体幹筋と脊柱骨盤アライメント,術後1年時Oswestry Disability Index(ODI)との関連を評価した.
結 果:ASD例の体幹筋はLSS例よりも小さく,特に多裂筋と脊柱起立筋が小さいほど術後腰痛が悪化する傾向がみられた.また,体幹筋は多くの脊柱パラメータと相関を示し,中でも多裂筋,脊柱起立筋とPT,SSとの間に有意な正の相関がみられた.
結 論:体幹筋の計測はASDの病態解明の一助となりうる可能性がある.特に多裂筋と脊柱起立筋が骨盤アライメントに大きく影響する可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2021