特集 ファシリテーション・テクニック(1)
<感想>
成人片麻痺とファシリテーション
前田 守
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
pp.331
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101906
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毎日,弛緩麻痺や痙性麻痺,あるいは新鮮例や陳旧例といわれる成人片麻痺のさまざまな「手」に触れているうち,脳卒中(の症状)が「変化」する病気なのだ,と思うようになり,興味を引かれてあくせくしているうち一昔が過ぎてしまった.
「何とか動かす方法はないものか?」と模索しているうち,肢位によって筋収縮に違いがあるとか,頭上に挙げなくても回内掌屈位で粗大手指伸展がしやすいとか,とくに母指伸展は誘発しやすいとか,痙性手には患側から腕を支持しながら母指と他4指を同時にストレッチしてやると随意収縮しやすいなど,実にバラバラだが何とか治療をしていた時代があった.少し後になって米国帰りのPTや外人講師によるファシリテーション講翌会があったりしたが,田舎の病院勤めでは情報に乏しく,BrunnstromやKnott & VossのPNFなど,系統的かつ理論的に教わったのはずっと後年のことだった.
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