Japanese
English
講座 物理療法(1)
リハビリテーション領域における物理療法
Physiotherapy in Rehabilitation Medicine.
土肥 信之
1
Nobuyuki Dohi
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School.
キーワード:
物理療法
,
レーザー
Keyword:
物理療法
,
レーザー
pp.63-67
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105526
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はじめに
物理療法とは物理医学の中で古くから研究されて来た分野で,物理的なエネルギー(温熱,光線,電気,音波,振動など)を用いた療法のことである.その生体への作用は全身および局所の各器官におよび,医学的な治療手段としての応用も広く,また最も古くから用いられて来た治療法の一つでもある.最近では癌組織に対する温熱治療や,筋に埋め込んだ電極により麻痺筋に機能を持たせる方法(functional electrical stimulation)などの新しい応用も進んできており,これらも広い意味では物理療法と考えられる.
リハビリテーション領域では,これらすべてを物理療法とするのは適切でない.従来物理療法はphysical medicineとよばれリハビリテーションの主役であったが,現在では狭い意味での物理療法(physiotherapy)として,運動療法と共に理学療法(physical therapy)の主体をなす分野として位置づけられる1).
しかしそれでもなお,物理療法の範囲を特定することは困難である.マッサージや牽引などは物理療法として扱っている成書も多いが,マニピュレーションとしてtherapeutic exerciseとして扱うほうが,現在のリハビリテーションの治療体系から見てより自然であると思われるので,今回はこれらのものについては触れない事とした.
物理療法は容易に行えるものが多く,うまく使えば効果が大きいが,重大な副作用や事故の原因にもなるため正しく使用されなければならない.
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