巻頭言
脳性麻痺療育の進歩
深瀬 宏
1
1聖ヨゼフ整肢園
pp.655
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105440
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私が脳性麻痺にかかわりをもつようになったのは昭和39年ですが,当時はいまだ脳性麻痺が十分理解されていない時期でした.また脳性麻痺の診断は1歳をすぎてからが多く,治療はマッサージぐらいで,いわゆる機能訓練は全くうけていない子どもが大多数でした.
その後40年代には神経生理学的アプローチ(Neurophysilogical approach)であるBobath法が,50年代にはVojta法が導入され,早期診断,早期治療は急速に普及してきました.特に中枢性協調障害(Zentrale Koordinationsstorung)という概念,訓練適応についての七つの姿勢反応の量的評価および新生児期からの訓練開始などが,小児神経科医,小児科医を脳性麻痺の療育に関心をむけさすことになりました.もちろん脳性麻痺の診断は現在でもすくなくても生後5~6カ月にならなければならないし,私たちは今まで脳性麻痺の子どもについて診察し,治療を行ってきました.
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