Japanese
English
特集 リハビリテーション領域における体力
筋ジストロフィー症患者の体力
Physical-fitness of Duchenne Muscular Dystrophy.
松家 豊
1
Yutaka Matsuka
1
1国立療養所徳島病院
1Tokushima Byoin National Sanatorium.
キーワード:
体格
,
筋力
,
生理機能
Keyword:
体格
,
筋力
,
生理機能
pp.865-871
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105279
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はじめに
筋ジストロフィー症で最も頻度の高い,代表的なデュシャンヌ型(DMD,Duchenne muscular dystrophy)について述べる.その病態は3~5歳に発症し20歳代で生涯を終る.筋原性の筋変性疾患である.
病因は不明で神経系の異常はなく,初期には発育と筋変性が共存している.生来の筋病変による筋力低下はすでに処女歩行のおくれとしてみとめられ,筋崩壊にもとづく血清CK値は高値を示し,運動機能障害は確実に進行して全身の骨格筋が侵されていく.残存した筋による筋力は限界があり,二次的に関節拘縮や変形などの形態異常が加わり,さらに生理的機能である心肺機能不全に陥る.そのため行動の体力はおろか生存のための体力の維持が必要となる.この体力の評価は診断および栄養管理,リハビリ治療において障害の程度を把握するのに欠かせない.ここではDMDの運動機能面からみた体力について形態的,機能的な行動体力をリハビリテーションの立場から論ずる.
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