Japanese
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紹介
重度脳性麻痺症例の書字介助機器―特殊ワードプロセッサーの開発について
Writing Device for the Cerebral Palsy.
首藤 貴
1
,
狩山 憲二
1
,
恒石 澄恵
1
Takeshi Suto
1
,
Kenji Kariyama
1
,
Sumie Tsuneishi
1
1愛媛大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Ehime University.
キーワード:
脳性麻痺
,
書字介助機器
Keyword:
脳性麻痺
,
書字介助機器
pp.717-720
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105246
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はじめに
重度に四肢の運動機能が障害された脳性麻痺症例においては書字能力が障害されることがあり,その結果コミュニケーション手段としての文章による表現や教育に際しての能力発揮に重大な問題を生じることになる.
また,われわれが日常診療中に接することができる重度脳性麻痺例のなかにも,書字能力獲得に対する希望を強く訴える症例を経験する.
アテトーゼ型脳性麻痺例の中には書字機能および言語機能に障害を有し,症例の潜在能力を引き出す機会を失うこともある.
従来より脳性麻痺例のリハビリテーション手段として各種のタイプライターが利用され,文字を書くのみでなく,タイプアートなどとして絵を描く手段としても利用されている.
今回はわれわれは従来のタイプライターを使用することが困難であり,より重度の症例を対象にして,さらに機能的な書字介助機器を開発することに着手した.
このような症例に対して,安易に介助機器を与えず,可能な限り自分の力で字を書く努力をさせることも確かに重要である.しかし,症例の中には書くことは不可能として書字をあきらめ,文字を学ぶことすらあきらめていることもある,このような症例にとって,機器により実用的な文字を書くことができるよう介助することは意義があると思われる.
以上の観点より,開発中の脳性麻痺症例に対する書学介助機器を紹介する.
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