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近年,臨床不整脈の診断・治療は著しい進歩を遂げたが,その中で臨床電気生理学的検査electrophysiologicstudy (EPS)が果たした役割は非常に大きい。洞不全症候群sick sinus syndrome (SSS),三枝ブロックtri—fascicular block,WPW症候群発作性上室性頻拍par—oxysmal supraventricular tachycardia (PSVT)および心室性頻拍ventricular tachycardia (VT)の診断,治療おいてEPSは不可欠の検査となりつつある1〜18)。
EPSは,心腔内心電図と心臓ペーシングから成るが,不整脈の解明が進むにつれ心臓ペーシングの目的と内容は拡大の一途を辿り,より詳細に且つ複雑となってきている。自動能および伝導能評価などのroutine検査に加え,発作性頻拍の誘発・停止に伴う頻回なペーシングモードの設定操作,その機序分析や薬効評価にかかわる多様なペーシングモード・パラメータのくり返し操作,心室停止や頻拍発作に対する緊急ペーシングモードの準備などがあり,また最近急速に普及しつつあるmulti—programmable pacemaker療法の適応モード決定,あるいは外科的手術療法適応の決定,さらに病棟や救急室,ICU,CCUでの緊急ペーシング,食道ペーシングに対する配慮など従来の刺激装置では操作の複雑性のみならず,対応不可能なペーシングモードも要求されてきた。また,操作の面から装置をみるとき,複雑であることはそれだけ誤操作や誤設定の可能性も大であり,臨床の場で直ちに処置しなければならないEPSでは,それに対する対策も重要な要素となる。
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