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特集 脳性麻痺の臨床とリハビリテーション
養護学校卒業脳性麻痺者の現況
A Present State of CP Adult Graduated from Special School.
五味 重春
1
Shigeharu Gomi
1
1埼玉県障害者リハビリテーションセンター
1Saitama Rehabilitation Center for the Disabled.
キーワード:
CP者(成人)の障害
,
CP者の医療
Keyword:
CP者(成人)の障害
,
CP者の医療
pp.191-196
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105127
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まえがき
乳幼児期から障害をもちながら成人に達した脳性麻痺(以下CPと略す)者は,昭和55年2月厚生省の身体障害者実態調査によれば,在宅身体障害者197万7千人のうち約5万9千人(3.0%)と推計されている.
CPは他の身障者と異なり,多くは生れながらの障害をもって生活してきたものである.その障害は程度の差こそあれ,心身両面にわたるものが多数であり,一個の人格をもつ人間として今後社会に生きてゆく上に,多くの問題を抱えている.それらの問題は,身体的,社会的,職業的側面などにおよび,互いにからみあっている.
しかしCPの諸問題を個別的に扱った発表はあるが,総括的に,しかも多くの対象についての調査結果は未だ公表されていない.
というのもCPのリハビリテーション(療育)は,昭和30年代後半頃よりようやく軌道にのったからであろう.すなわち昭和36年全国に肢体不自由児施設が設置され,おくれて44年に肢体不自由養護学校が全県に置かれ,CP児に対する療育体制が一応整備されたからである.
最近では,肢体不自由児施設(72所)の収容児6,392人の61.4%はCPであり,また肢体不自由養護学校(154校)児童生徒17,044人の76.2%はCPならびにその関連疾患で占められている.
しかし施設収容児のCPうち,学齢期の者は,施設内養護学校に在籍しているので,実数としては重複している.
いずれにせよ,肢体不自由養護学校卒業のCPの存在は大きく,とくに養護学校高等部卒業生は,18歳以上となるので,成人CPの実態を把握するのに,適切な対象集団と考えられる.
そこで養護学校高等部卒業生CP者の実態調査を計画した.
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