巻頭言
リハビリテーション医学と包括医療
佐藤 哲
1
1国立仙台病院
pp.85
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105106
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昭和36年から37年にかけて,デンマーク,英国でWHO主催によるリハビリテーション医学の研修に参加し,前後して西独,米国のリハビリテーションをも見学することが出来た.これが本格的に勉強する端緒となったものであるが,帰国後は日本では現状から出発するのに最も適した進めかたが必要と考え,私なりにPRを行って来た.いっぽう,総合病院の勤務医師として,医学的リハビリテーションに直ちに専念出来ないものの,日常診療のなかで,リハビリテーションの思想をもととして患者をみて,機能面までに及ぶ回復と,患者,家庭,社会の相互関係が最も望ましい状況に改善されるような配慮をした.医師と多くの医療従事者とのチーム・ワークの育成にも心を砕いて来たつもりである.
以来20年,療法士の養成の進展にくらべ,その他の面ではなお国の実情を生かし,それに根づいた基礎固めがなおも続けられている現段階にある.また病院内での上述のような作業は,非常な苦労をともなうものであるが,いまだに同僚,患者,家族から充分な理解と協力をえがたいことがあるのを,残念に思っている.
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