巻頭言
超高齢社会における地域包括ケアシステムとリハビリテーション医療
加藤 真介
1
1徳島大学病院リハビリテーション科
pp.625
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201682
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徳島県は,最近の5年間で人口が約3,300人(4.3%)減少している高齢県である.2017年の高齢化率は全県では32.4%(第5位)で,24市町村のうち4町で50%を超え,ほかの4町村でも45%を超えている.さらに平成の市町村合併により,市町村内での格差も拡大している.合併前には地方公共団体として独立していたある山間地では,過疎化のいっそうの進行につれ,町内での発言力が大きく低下した.その結果,この地区への医療・福祉関連予算の投入に対して,議会の承認が得られ難くなり,保健師が一人もいなくなりそうな事態となっている.
Telemedicineは1つの解決策となり得る.徳島県では,脳卒中に対する画像診断が南海トラフ大地震による津波の危険に曝されている地域で実用化されている.さらに,徳島県では医療機関や介護施設の間で,住民の病名・投薬内容・検査結果等の情報を共有し・活用するネットワークシステム(阿波あいネットhttps://alltks-ehr.localinfo.jp/)の構築が計画され,すでに2万6千人以上の住民の同意が得られ,まもなく実用化される.
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