特集 地域包括ケア時代の在宅医療・リハビリテーション
地域包括ケアとリハビリテーション医療
川手 信行
1
,
水間 正澄
1
1昭和大学医学部リハビリテーション医学講座
pp.386-390
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200126
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はじめに
わが国は,世界中でどの国も経験したことのない高齢化が急速なスピードで進んでいる。さらに,人口比率の高い団塊世代(約800万人)の人たちが今年で65歳を迎え,高齢者の仲間入りをする。また,この世代が75歳を迎える2025年には,65歳以上の人口が約3,650万人(30.3%)になると予想されており,2060年には2.5人に1人が65歳以上になると推計されている1)。それに伴って医療や介護サービスの需要は大幅に増大することが予想されるが,それに見合った医療や介護サービスの提供をどのようにしていくか,課題が山積している。また,単に供給量を増やすだけではなく,医療や介護サービスの質を落とさずに,しかも継続的にサービスを供給していくためには,高齢者の暮らしに密着した地域の中で,地域の特性に基づいた支援システムを構築していく必要がある。平成25年に厚生労働省は,「地域包括ケアシステム」の構想を打ち出し,これからの超高齢社会に対応する支援システムのあり方の道筋を明確化した。今回,地域包括ケアシステムの中で,リハ医療の担う役割を中心に考察したい。
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