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特集 Duchenne型筋ジストロフィー症
Duchenne型筋ジストロフィー症の心肺不全対策
Management of Cardiac and Respiratory Failure in Duchenne Muscular Dystrophy.
石原 博幸
1
Tadayuki Ishihara
1
1国立療養所東埼玉病院内科
1Department of Internal Medicine, National Sanatoriumu, Higashi-Saitama Hospital.
キーワード:
Duchenne型筋ジストロフィー症
,
肺胞低換気
,
心筋症
Keyword:
Duchenne型筋ジストロフィー症
,
肺胞低換気
,
心筋症
pp.277-281
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104929
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はじめに
性染色体劣勢遺伝疾患であるDuchenne型筋ジストロフィー症(以下DMDと略す)の平均寿命は現在18歳程度といわれており,死因の大部分は呼吸不全と心不全で占められているといわれている1).日本では国立療養所に収容し療育するという世界にないユニークなシステムをとり,本年で20年になることから,このシステムの功罪について再検討しようという機運がみられる.20年間の収容,療育による臨床経験の蓄積から,DMDの臨床経過,合併症,病理,看護療育などの面では国際的にも決して劣ってはいないと考えられている.
筋ジストロフィー症という名の通り,骨格筋変性萎縮による筋のやせ,筋力低下が主症状となるが,呼吸不全,心不全の原因もやはり筋の変性萎縮である.すなわち,呼吸不全は,呼吸筋(横隔膜,肋間筋など)の変性萎縮と,脊柱直立筋のアンバランスな変性に起因する(といわれる)脊椎側彎症が原因であり,心不全の原因は心筋変性と繊維化が主因であると考えられている.この項では,呼吸不全と心不全の進展過程とその対策について述べてみたい.
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