Japanese
English
特集 Duchenne型筋ジストロフィー症
Duchenne型筋ジストロフィー症—ケアの進歩と予後
Progress in Clinical Management and Prognosis of Duchenne mucular dystrophy
石原 傳幸
1
Tadayuki Ishihara
1
1国立療養所東埼玉病院
1Intenal Medicine, National Higashisaitama Hospital
キーワード:
Duchenne muscuLar dystrophy
,
cuirass breathing
,
cardiac insufficiency
,
pulmonary infarction
,
pulmonary hypertension
Keyword:
Duchenne muscuLar dystrophy
,
cuirass breathing
,
cardiac insufficiency
,
pulmonary infarction
,
pulmonary hypertension
pp.443-449
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902066
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A.筋ジストロフィーについて
Duchenne型筋ジストロフィー(以下DMDと略す)は1868年にフランスの偉大な神経学者であるDu—chenneにより記載されたことから(彼がはじめて記載したのではないが),彼の名前が病名の中にまだ残されていることは周知の事実である。約120年間にわたり研究が続けられてきたが,最近その研究に分子生物学的手法が取り入れられ飛躍的な進歩をとげ,dystrophinの名前を耳にしたことのない研究者は,もういない状態にまでなってきた。考えてみると,dystrophinの名前がつけられたのは1987年の12月のことであり,いまさらながら最近の医学の変遷が早く,これに遅れないように勉強することの難しさを痛感している次第である1)。
1985年頃から筋ジストロフィー遺伝子のクローニングが行われ,筋ジストロフィー遺伝子の全長をカバーするcDNAプローブが発売され,この遺伝子により作られるタンパク質であるdystrophinはDMDでは欠損し,BMDでは異常dystrophinが認められることが明らかとなり,少なくとも筋ジストロフィーの診断は長足の進歩をとげたことは周知の事実である。
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