Japanese
English
研究と報告
Duchenne型筋ジストロフィー症患者の骨折―主として原因について
Fractures in Duchenne Progressive Muscular Dystrophy: Chiefly Regarding Causes.
畑野 栄治
1
,
升田 慶三
2
,
三好 和雄
2
,
徐 海源
2
,
亀尾 等
2
Eiji Hatano
1
,
Keizo Masuda
2
,
Kazuo Miyoshi
2
,
Kaigen Jo
2
,
Hitoshi Kameo
2
1広島大学整形外科理学診療室
2国立療養所原病院
1Department of Orthopaedics, Hiroshima University School of Medicine.
2Hara Byohin, National Sanatorium.
キーワード:
筋ジストロフィー症
,
骨折
Keyword:
筋ジストロフィー症
,
骨折
pp.41-45
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106443
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はじめに
進行性筋ジストロフィー症(以下筋ジスと略す)の患者の骨X線像には特有の所見が認められ,Ashbyら1)はこれをbone dystrophyとさえ呼んでいる.さらに筋肉萎縮による軟部組織の菲薄化および立位,座位バランスの低下などが加わるために筋ジスの患者は容易に転倒して四肢骨折を起こしやすいとされているが,骨折の原因についての詳細な報告は余りなされていない.
筋ジスに対して満足すべき治療法のない現在では延命のために,患者の呼吸循環機能をできる限り高いレベルに維持することは勿論重要であるが,四肢骨折の発生予防に留意してできるだけADL能力を保つことも大切なリハビリテーションである.
従って今回私達は今後の指針とすべく,国立原病院に過去21年間に入院したDuchenne型ジス患者の四肢骨折の,主として原因について検討を行ったので報告する.
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