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研究と報告
脳卒中片麻痺患者の下肢装具―七沢病院における最近2年間の処方動向
Orthoses of Lower Extremity in Hemiplegic Patients: Experiences Report.
前田 真治
1
,
丹沢 章八
2
,
島 達彌
2
,
小林 一郎
2
,
杉本 光以
2
Masaharu Maeda
1
,
Shohachi Tanzawa
2
,
Tatsuya Shima
2
,
Ichiro Kobayashi
2
,
Mitsui Sugimoto
2
1北里大学医学部内科
2神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
1Department of Internal Medicine, School of Med. Kitasato University.
2Kanagawa Rehabilitation Center, Nanasawa Hospital.
キーワード:
脳卒中片麻痺
,
下肢装具
Keyword:
脳卒中片麻痺
,
下肢装具
pp.919-926
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104833
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はじめに
脳卒中片麻痺患者に対するリハビリテーション(以下リハと略す)アプローチの中で,歩行障害に対する下肢装具の適用については,古くは藤井1~3),服部4)らの業績が散見できるが,本邦に広く普及しはじめたのは,昭和40年代にはいってからのことであリ,いまだその歴史は浅い.しかし,この間の基礎的な研究の進展はめざましく,当初は,ほとんど外国の模倣であったものが,独自の立場での材質の吟味や機構の改良,あるいは,日本式生活様式に適合した形態の工夫などの成果が臨床に還元されるに及び,臨床上の有用性は,つとに高まるとともに,今日では,下肢装具の適用は片麻痺の歩行障害に対する代償的アプローチの主力として,ますますその重要性を増しつつある.
さらに,Simonsら5)によって考案されたプラスチック製短下肢装具の出現は,下肢装具の適応範囲を大幅に拡大するいとぐちとなった.
すなわち,プラスチック製の装具は,両側金属支柱付の靴型装具に比べ,軽量性,装着性にすぐれ6~16),成形技術の進歩18,19)により,いわば,オーダーメイドの装具が作成できるという利点があり,今後ますます多用されてゆく傾向にある.
このような趨勢の中で,脳卒中片麻痺に対する下肢装具の処方の動向と,下肢装具が片麻痺の歩行障害改善に寄与する役割りについて検討を加える目的で,われわれは,七沢病院における最近2年間の下肢装具の処方の実態調査を行った.以下,その結果について若干の考案を加え報告する.
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