Japanese
English
特集 肢体不自由児教育
普通学校における肢体不自由児―切断児
Child Amputee.
高山 忠雄
1
,
加倉井 周一
1
Tadao Takayama
1
,
Syuichi Kakurai
1
1東京都補装具研究所
1Tokyo Metropolitan Prosthetic and Orthotic Research Institute.
キーワード:
小児切断
Keyword:
小児切断
pp.521-523
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104753
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はじめに
肢体不自由児のうち「切断」による障害児童生徒の実数(普通学校在籍)は定かではなく,昭和45年10月の調査が最後となっている厚生省の障害児推計によると上肢切断2,000人,下肢切断900人の2,900人が唯一の全国統計となっている.
本稿では,上記の数とは別に筆者らが参加してきた切断に関する数件の調査および,東京都補装具研究所・小児切断プロジェクト11年間の経験,片手用リコーダーの講習会等を通して関与してきた切断児約500人強(一部重複)を基に報告するものである.
このように,切断児数は他の障害に比較して非常に少ないことから,とかく見過ごされがちだった先天性四肢欠損児や事故等による後天性切断児に対して,サリドマイド薬禍による先天性高位欠損児の発生が大きな社会問題として取り上げられたことも一つの契機となって,これら「切断」による障害児童生徒の福祉・教育面に新たな目が向けられるようになったのである.
現在・就学児童生徒のうち養護学校あるいは特殊学級に在籍している切断児は極めて少数と思われるが,昭和54年度からの養護学校義務化に伴って四肢・多肢欠損等移動能力,書字能力に欠ける対象児にとっては,新たな問題が発生しかねない状況にあり,ここで改めて普通学級における肢体不自由児教育が特集されることは極めて意義深いものと考える.
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