Japanese
English
講座 リハビリテーション医学の評価法(2)
乳児の発達評価
Developmental Assessment of the Infant.
中島 雅之輔
1
Masanosuke Nakashima
1
1東京都立北療育園
1Tokyo Metropolitan Kita-Ryoikuen Hospital for Cerebral Palsy.
キーワード:
発達順序
,
姿勢・運動要素の分析
,
運動発達評価
Keyword:
発達順序
,
姿勢・運動要素の分析
,
運動発達評価
pp.363-369
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104720
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はじめに
乳幼児についての,標準化された発達評価法には,数多くのものがある.我が国でよく知られているものには,遠城寺式乳幼児分析的発達険査表,津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法,Baley Motor scale,Denver発達スクリーニング検査,Portage Project Gesell発達尺度,München機能的発達診断法,Milani Chart,Bobath発達評価法,Vojta神経運動学的発達診断法などがあり,枚挙に暇がない程である.
これら発達評価法のもつ意味を,2種に分けてみると理解しやすい.
その第1は,乳児の発達遅滞を発見し,その内容を分析することに主眼を置いたものである.その分析の深さは色々であるが,いずれも診断学的意味をもつものである.スクリーニング法の代表例として,Denver発達スクリーニング検査があり,これは経験のない人にでもたやすく使用可能,という利点がある.また発達を種々の領域に分けて分析するものが最も多い.主として,運動機能面について分析を行い,治療が必要か否かを判断しようとするものの中に,Vojta神経運動学的発達診断法6)がある.
第2は,治療的意味をもつ評価法である.発達遅滞・障害をもつ児に対し,適切な(リ)ハビリテーション・プログラムを立て,正常の発達に近づけるための指針を得るためのものである.この代表例は,Milani Chart3)である.
この小論で,これらのことに鑑み,また紙面を限られているので,筆者の日常取扱っている運動面に焦点をあて,治療的意味をもつ発達評価につき,私論を中心に述べる.
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