Japanese
English
講座 リハビリテーション医のための代謝疾患入門(2)
糖尿病の診断
Diagnosis of Diabetes Mellitus.
小坂 樹徳
1
Kinori Kosaka
1
1東京大学医学部第三内科
1Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
キーワード:
糖負荷試験
,
診断基準
,
低インスリン反応
Keyword:
糖負荷試験
,
診断基準
,
低インスリン反応
pp.371-374
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104722
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Ⅰ.「糖尿病の診断」ということ
糖尿病を診断するということは,本来,被検者がわれわれが糖尿病とよんでいる疾患をもっているかを認知する行為である.
診断(そして治療)の対象となる糖尿病は,前号で解説したように,紀元2世紀ごろAretaeusがその臨床経過を綿密,正確に記載した“糖尿病”が,その後の医学の進歩に伴って,本来具えていた複雑な内容が必然的に判明してきた疾患で,次の身体的特質をもつ.(1)遺伝が重要な背景をなし,(2)それに環境因子が相互作用してインスリンの欠乏と作用不足が形成され,(3)広範かつ特異な代謝異常と特徴ある一連の諸症状が現われ,(4)糖尿病性細小血管症とよばれる特異な血管障害が発症してくる.
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