一頁講座 社会リハビリテーション・1
社会リハビリテーションの理念と枠組
小島 蓉子
1
1日本女子大学
pp.299
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104707
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心・身に障害を有する人々を社会成員として,社会生活上の諸権利を保障することは社会の責務である.それと共に障害者自身にも,住みよい社会づくりをするための参加の責務があり,障害者政策の決定過程に,建設的な声を反映させていく参加の姿勢が望まれる.
「社会リハビリテーション」は,障害者を社会生活の権利・義務関係から引退している患者という概念でとらえるのでなく,障害特性をたずさえて社会の営みに参加する社会構成員であると見る.障害者も市民である以上,特別な生活の場を施設の中だけに持つのではなく,一般地域社会の中で生活できるよう地域の物心の仕組みを人間化するよう働きかけていく必要がある.生活を正常化していくことは,障害者を含めて当然の社会全体の課題であろう.
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