Japanese
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特集 リハビリテーション工学
車椅子とリハビリテーション工学―車椅子の移動機能,駆動特性,走行性能
Driving Performance of Wheelchair: Engineering Aspects.
田中 理
1
Osamu Tanaka
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション工学研究室
1Department of Rehabilitation, Engineering, Kanagawa Rehabilitation Center.
キーワード:
車椅子
,
移動
,
性能
Keyword:
車椅子
,
移動
,
性能
pp.765-772
発行日 1986年10月10日
Published Date 1986/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105678
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はじめに
車椅子は,下肢障害者の移動用機器として,いろいろな障害者に,いろいろな環境で,いろいろな目的で使用されている非常にポピュラーなリハビリテーション機器の一つである.
一口に車椅子と言っても,現在わが国にはいろいろな種類の車椅子があり,使用する障害者のdisabilityの程度や車椅子の用途によって,様々な車椅子が使い分けられている.そこには,脊髄損傷者のように自分で駆動することによって移動の自立が達成できる者の車椅子をはじめとして,常に移動の手助けが必要な者の介助用車椅子から,自分では推進力が得られない者のための電動車椅子まで,実に幅広く存在する.
このように多岐に亘る車椅子を同一に論ずることは至難の業であり,とても筆者の手に負えるものではない.そこで本稿では,手動車椅子に目を向け,その中でも圧倒的に使用されている後輪駆動式の普通形車椅子(いわゆるユニバーサル形車椅子)1)の移動機能,駆動特性,走行性能につき,われわれが手がけてきたことを中心にして解説を試みるものとする.
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